大統領令、ツイッター……トランプが言ったことは全部実現するの？ 3分で分かるトレンドワード【トランプ政権と大統領令】
トランプ政権への疑問を慶應義塾大学教授・渡辺靖氏に解説してもらいました！②
●トランプ大統領の真意は？ツイッター上での特定企業攻撃のわけ
シズカ…トランプさんの場合、国だけでなく、企業までをも動かしているように見えます。例えば、フォードはメキシコの工場建設を中止しましたし、トヨタもアメリカに５年間で１００億ドルの投資をすると発表しました。
渡辺…トヨタはもともと投資計画を持っていたようですが、不買運動なんかが起きる前に大々的に発表した、ということなんでしょう。
トオル…でも、私企業が大統領のツイッターひとつでここまで右往左往することってあるんですか。そもそもトランプさんのツイートというのは問題にならないんでしょうか。
渡辺…「〇〇をしなければ、特定企業に関税をかける」。これは明確なＷＴＯ違反ですので問題がありますし、無理ですよね。ところで、こうしたトランプさんの言動を見ていると、政府の権力が非常に大きくなったという印象を受けませんか。
シズカ…確かにそうですね。
渡辺…トランプさんのいる共和党は、そもそも「小さな政府」を志向してきました。それなのに、トランプさんがやっていることは正反対で、民間の活動にまで口を出しているように見える。まるで究極の絶対君主制か、共産主義です。いつまでも使える手法ではないと思いますね。
シズカ…一部の人にとってはとても分かりやすい言葉ですから、ついシンパシーを感じてしまうけれど、簡単ではないってことですね。
渡辺…そうですね。「雇用を取り戻す」というスローガンを掲げたわけですから、それに対して本気だぞ、と示す格好の材料ですからね。小難しい専門用語を振りかざされて経済のことを説明されるよりはよっぽどインパクトがあります。
トオル…確かに……。【第３回へ】
